私はヘイト本を売りたくない

  • カテゴリー: 今野書店

こんにちは、今野書店です。
昨日今日、ある本のタイトルを見てから喉に湿った真綿がつまったような思いをしています。罪を認めて楽になるどころか、罪悪感で動揺している心臓の音が聞こえる始末です。


 

私は本屋が好きでした あふれるヘイト本、
つくって売るまでの舞台裏


仕事だからつくる。配本が多いから書店は平積みする。しくみに忠実な労働が「ヘイト本」を生んだ。見て見ぬふりでつくり上げられてきた“憎悪の棚”を直視し、書店と出版の仕事の実像を明らかにする。 あらすじの続きはこちら

 

 

「今野書店は本の品揃えがいい」と、お店で直接声をかけてもらえることもあれば、Twitterで話題にしてもらうことがあります。
私も働き始めて1年半、店内を整えてまわりながら、特に気に入っている外国文学の棚に見入るのが仕事と日常の間での大切なルーティンです。

 

日々変わりなくいい本が入ってきて、それを買っていく人がいる。とても心強いです。「もう負けだ」と弱音を吐く人びとに、「調査兵団は未だ負けたことしかないんだよ?」と鼓舞して進んだハンジさんを思い出します。(進撃の巨人、12/9新刊発売です)


でもときに、というか頻繁に「いい本」と呼べないものも入ってきます。棚にたった一冊だけならまだしも(許しませんが)、平積みされているのも珍しくありません。

自分が配本数を決めることができるなら、編集者なら、そんな本は必要ないと企画段階で押し返すのに、どうして押し返されずこんなに堂々と書店に届けられ、売られ、買われていくのか。それらを決定する立場にない私は、並べられ、積まれているヘイト本を丸ごと棚の奥に隠したり、裏返して人目に触れないようにすることしかできません。

 

でもこの抵抗が、どうか“今のところ”でありますように、発売されたばかりのこの本を皮切りに出版産業が、そこまでの変化がまだ遠く困難な話だというなら、このお店からだけでも変わってほしい。



今日も隠したり、裏返したりしています。

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