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おすすめ書籍『ツーオンアイス』
このコミックの話をさせて頂くのは2度目なのですが、最終巻である4巻が6月4日に発売となったので再度おすすめさせていただきます! →以前の記事はこちら
『ツーオンアイス』は逸茂エルク先生が週刊少年ジャンプにて連載されていた、フィギュアスケートのペア競技を描いた漫画作品です。
まるで運命のようなボーイミーツガールや愛嬌のあるキャラクター造形などの少年漫画に個人的に求めている要素はもちろんのこと、男女のペアスポーツであることがどういった意味を持つのか、フィギュアの中でも競技人口の少ないペアに挑戦するとはどういう意味なのかを強く伝えてくる作中の言葉に私は胸を打たれました。
あまりにも良すぎてこの作品をきっかけに時折YouTubeでペアのフィギュアを観るようになりました。
現実のサイドバイサイド(これが何なのか気になったらそれが興味の始まりです!)、綺麗すぎる!! ペアのお二人が違う人間とは思えないほどの息の通じ方に画面越しでも圧倒されてしまいました。
あの綺麗な世界が漫画で描かれていると思うと、より『ツーオンアイス』への愛が深まります。
しかし今回! 内容もさることながら真にオススメしたい理由は最終巻の書き下ろしにあります!
漫画連載というのは一般的に、最終回を迎えればその先が描かれることはないものです。よって、連載当時に予定されていた展開や今後の展望などを読者が知ることはほとんどありませんでした。
それがなんと! 逸茂先生ご本人の言葉でもって綴られています! 字数にして1万字超!
人気投票という流動的な基準によって先が決まるジャンプでの本誌連載を見据えた作家の姿を、作品ではなく言葉で知ることができる機会というのは貴重ではないでしょうか。
そういった意味では、これから作品を作ろうと思っている方へ向けたオススメでもあります。当たり前ながら連載というのは決して場当たり的なものではなく、すでに構築されている骨組みを基に成り立っているのだと改めて気付かせてくれる、私にとってとても価値のある書き下ろしでした。
主人公である峰越隼馬と早乙女綺更が歩む道をどうか、様々な方に知ってもらいたい! 今後生まれる逸茂先生の作品を心待ちにする人を、一人でも増やしたい! と思っております。
もし! なにか刺さる気配がしましたら是非集英社公式より出ている連載開始時のPVをご覧になってください! 最後まで読むと何度でもこの出会いが最高の始まりだったんだなと噛みしめられてしまうのです。
→『ツーオンアイス』公式PV
すぐに読める逸茂エルク先生の読切がひとつ、ありますのでこちらもオススメさせてください!
→「ふたりは殯の庭で」