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『福田村事件』『それは丘の上から始まった』刊行記念 辻野弥生×後藤周×加藤直樹トークイベント 事実を見つめること 語り継ぐこと

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【日時】2023年10月21日(土)17:00〜18:30
配信参加:1,650円
来店参加2,200円

1923年(大正12年)9月1日の関東大震災発生から今年で100年。
震災時の流言飛語に煽られた「不逞鮮人」狩りで、軍人や警官、一般人による自警団などによる虐殺が各地で起こった歴史は、いまなお衝撃をもって私たちに重い事実を突きつけます。

近年私たちが虐殺の詳細な過去を学びやすくなった背景には、丹念に事件を調査しまとめた『九月、東京の路上で』(加藤直樹 著)など、書籍の功績が大きいのは間違いないでしょう。

今年になり、それまで地方出版社から刊行されていた『福田村事件-関東大震災・知られざる悲劇』(辻野弥生 著)が増補改訂版となり、映画化されました。横浜で起きた虐殺を扱った『それは丘の上から始まった 1923年横浜の朝鮮人・中国人虐殺』(後藤周 著)など、関連書が続々刊行され、改めてその歴史に触れる読者も増えています。

これらの書籍が教えてくれるのは、資料を丹念に集め、過去を徹底して調査する姿勢の重要さ。怒りや悲しみ、危機感を持ちながらも事実を追求し、それらをまとめ上げた著者の信念。決して繰り返してはならない血の歴史です。

今回この関東大震災における虐殺について、それぞれ重要な本を執筆された、辻野弥生さん、後藤周さん、加藤直樹さんにご登壇いただけることになりました。

社会にレイシズムが横行し、時の官房長官までが「政府内に虐殺の記録はない」とはぐらかす政権を持つ私たちがいま歴史を知り、語り継ぐことの意義を、その書き手たちとともに考えるトークイベントです。

◆アーカイブ視聴について◆
イベント終了後に、配信参加/来店参加の方ともにご視聴いただけるアーカイブ配信を予定しております。準備ができ次第、Peatixのメッセージ機能よりご案内します。
ご案内はイベント終了後1週間前後で差し上げる予定です。

◆書籍紹介◆

『福田村事件-関東大震災・知られざる悲劇』



辻野弥生 著
発行:五月書房新社 本体2,000円+税
発売日:2023年6月24日

四国から千葉へやってきた行商人達が朝鮮人と疑いをかけられ、正義を掲げる自警団によって幼児、妊婦を含む9名が殺害された。
映画『福田村事件』(森達也監修)が依拠した史科書籍。長きに渡るタブー事件を掘り起こした名著。【森達也監督の特別寄稿付き】

「辻野さん、ぜひ調べてください。……地元の人間には書けないから」
その時から、歴史好きの平凡な主婦の挑戦が始まった。
「アンタ、何を言い出すんだ!」と怒鳴られつつ取材と調査を進め、2013年に旧著『福田村事件』を地方出版社から上梓したものの、版元の廃業で本は絶版に。
しかし数年後、ひとりの編集者が「復刊しませんか?」と声をかけてきた。
さらに数年後、とある監督が「映画にしたいのです」と申し入れてきた──。
福田村・田中村事件についてのまとまった唯一の書籍が関東大震災100年の今年2023年、増補改訂版として満を持して刊行!

【福田村・田中村事件】
関東大震災が発生した1923年( 大正12年)9月1日以後、各地で「 不逞鮮人」 狩りが横行するなか、 9月6日、 四国の香川県からやって来て千葉県の福田村に投宿していた15名の売薬行商人の一行が朝鮮人との疑いをかけられ、地元の福田村・田中村の自警団によって、ある者は鳶口で頭を割られ、ある者は手を縛られたまま利根川に放り投げられた。虐殺された者9 名のうちには、 6歳 ・ 4歳 ・ 2 歳の幼児と妊婦も含まれていた。犯行に及んだ者たちは法廷で自分たちの正義を滔々と語り、なかには出所後に自治体の長になった者まで出て、事件は地元のタブーと化した。そしてさらに、行商人一行が香川の被差別部落出身者たちだったことが、事件の真相解明をさらに難しくした。

『それは丘の上から始まった 1923年横浜の朝鮮人・中国人虐殺』


後藤 周 著 加藤 直樹 編集
発行:ころから 本体1,800円+税
発売日:2023年9月15日

1923年、関東大震災直後の横浜は朝鮮人暴動などの流言が発生し、虐殺が行われた発火点だったーー。
市街のほとんどを焼失した市民は、「平楽の丘」と呼ばれる南部丘陵地へと逃れた。そこでは、震災当夜から「朝鮮人が暴動を起こしている」などといった流言が広がり、そして名も知らぬ朝鮮人や中国人を虐殺する事件の引きがねとなった。 30年以上にわたってこの史実を検証してきた著者が、150号を超える私家版「研究ノート」や数多くのフィールドワークをもとにまとめた。
デマがどうして横浜で発生したのか、なぜ虐殺を防げなかったのか、膨大な資料とともに当時を生きた人たちの顔が見える筆致で描く。100年前の虐殺事件の「なぜ?」を知るためのマスターピースとなる一冊。

【登壇者プロフィール】
●辻野弥生(つじの・やよい)
福岡県生まれ。1981年より流山市在住。流山市立博物館友の会会員。タウン誌・地方紙で10年間インタビュー記事担当。
1998年 地域の文化賞「北野道彦賞」受賞
1999年 『東葛流山研究』に「関東大震災 知られざる悲劇」と題して、福田村事件の論考を発表
2006年 同人誌「ずいひつ流星」創刊
著書に旧版『福田村事件 関東大震災 知られざる悲劇』」(崙書房出版 ふるさと文庫)、新装版『福田村事件 関東大震災・知られざる悲劇』(五月書房新社)、『呉服屋のお康ちゃん奮戦一代記』(新人物往来社)、共著『江戸切絵図を歩く』『日本全国ユニーク美術館』『とっておきユニーク美術館・文学館』『幕末維新江戸東京史跡事典』(いずれも新人物往来社)ほか。

●後藤周(ごとう・あまね)
1948年生まれ。1972年から約40年にわたって横浜市の公立中学校の教員を務め、その傍らで横浜ハギハッキョの設立から中心スタッフとして活動。退職後も横浜での朝鮮人・中国人の虐殺事件を検証。その報告書でもある「研究ノート」は150号を超える。本書は初めての著書。

●加藤直樹(かとう・なおき)
1967年東京都生まれ。法政大学中退。出版社勤務を経てフリーランスに。著書に『九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響』『TRICK 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』(ともにころから)、『謀叛の児 宮崎滔天の「世界革命」』(河出書房新社)。共著に『NOヘイト! 出版の製造者責任を考える』(ころから)ほか。翻訳にチェ・ギュソク作『沸点 ソウル・オン・ザ・ストリート』(ころから)がある。

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【日時】2023年10月21日(土)17:00〜18:30

【配信参加】
・参加費:1,650円
・配信はZoomのウェビナー機能というサービスを使用いたします。
・インターネット接続環境下のPC、スマートフォン、タブレットからご視聴いただけます。
・Zoomご利用にあたっては、事前にアプリをインストールしてください。インストールや使用は無料です。
・イベント中、お客様の顔や音声などは配信されませんのでご安心ください。
・配信映像の録音・録画はご遠慮ください。
・原則として、お申込み後はキャンセルできません。

【来店参加】
・参加費:2,200円
・定員:35名
・会場:今野書店地下1階
・開演時間の30分前から開場・受付します。
・会場にはエレベーターがありませんので、車椅子やベビーカーでお越しの方は、お手数ですが事前にお問い合わせの上、ご予約くださいますようお願いします。できる限りご要望に添えるよう対応いたします。
・原則として、お申込み後はキャンセルできません。当日ご欠席される場合でも、リアルタイム配信をお持ちの端末から視聴することができます。配信でのご視聴に関しましては、上記の【配信参加】をご確認ください。

〈主催・会場〉
今野書店
住所:杉並区西荻北3-1-8

〈お問い合わせ先〉
ご不明な点がございましたら、event(at)konnoshoten.com[※(at)を@に変換してください]までお問い合わせください。