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【アーカイブ販売】『根っからの悪人っているの?——被害と加害のあいだ』(創元社)刊行記念 坂上香×ブレイディみかこトークイベント 被害と加害の語り方 〜 YA(ヤングアダルト)世代との対話を通して

| イベントアーカイブ

※イベントは2023年11月23日、今野書店にて開催されました。
※本チケットは2024年3月7日までの限定販売です。
※ご購入後は2024年4月7日までの期間、何度でもご視聴いただけます。

2023年4月、10代以上すべての人のための新しい人文書のシリーズ「あいだで考える」が創刊されました。複数の書店と出版社が共同して開催する、刊行記念リレートークイベントの第5回を、東京都杉並区の今野書店にて、対面+オンラインのハイブリッド形式で行います。

シリーズ5冊目『根っからの悪人っているの?——被害と加害のあいだ』は、10代の4人の若者と、元加害者、被害者のゲスト、著者が行った全5回の対話の記録です。

本書では、著者の映画作品『プリズン・サークル』(2019年公開)をもとに、刑務所内のTC(回復共同体)で行われる対話のプログラムが紹介されます。そして、人はなぜ罪を犯してしまうのか、罪を償うとはどういうことか、被害の傷や痛み、大切な場所や関係性の欠落・喪失、それらの回復と修復、自らの感情に気づくことなどをめぐって、さまざまな言葉が交わされます。

イギリス在住のライター、ブレイディみかこさんは、『プリズン・サークル』を「究極のエンパシー映画」と評しました。

自身のご著作『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の中でブレイディさんは、「元底辺中学校」で多様な他者と出会い、生きていく息子さんの、エンパシーとは「自分で誰かの靴を履いてみること」だという言葉を紹介しています。

他者の感情や経験を、自分がその人だったらどうだろうと想像し、分かちあう力=エンパシーは、刑務所内のTCで、他者の話を聴き、自らを語ることによって獲得されていく力そのものだとも言えるでしょう。その力によって、自らが他者に与えた害や暴力と、自分自身が抱える傷や感情に気づき、見つめていくことができるのです。

ブレイディさんと坂上さんとの対話では、犯罪の被害・加害にとどまらない、ごくふつうの日常での多様な他者とのかかわりや、他者を理解しようとする力、自らを見つめる力などをめぐって、イギリスと日本それぞれの状況を踏まえながら多様なお話が展開されることでしょう。どうぞご期待ください!

【書籍情報】
シリーズ「あいだで考える」
『根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ』

坂上香 著
発売日:2023/10/13
創元社刊 定価:1,760円(税込)

著者の映画作品『プリズン・サークル』は、日本で1か所だけ、刑務所の中で行われている「TC(回復共同体)」という対話による更生プログラムを、20 代の受刑者4 人を中心に2 年間記録したドキュメンタリー。本書は、この映画を手がかりに、著者と10 代の若者たちが「サークル(円座になって自らを語りあう対話)」を行った記録である。映画に登場する元受刑者の2 人や、犯罪被害の当事者をゲストに迎え、「被害と加害のあいだ」をテーマに語りあう。(装画:丹野杏香)

目次

はじめに

第1回 初めての対話
 『プリズン・サークル』を観て
 「わかりたい」と思うには
 「違い」に出会う

第2回 真人さんとの対話
 刑務所のリアル
 犯した罪をめぐって
 大切なものとサンクチュアリ
  コラム おすすめの音楽
 サンクチュアリが壊れたあと

第3回 翔さんとの対話
 感情に気づき、感情を動かす
 サンクチュアリをつくる
 自らの罪を語る
  コラム 感情をめぐるワーク
 聴く・語る・変わる

第4回 山口さんとの対話
 事件に遭遇して——山口さんの被害体験
  コラム 事件後の子どもとの関係性の変化
 少年の居場所
 少年と会う
 被害者と加害者が直接会うこと——「修復的司法」
  コラム 修復的司法の個人的な取り組み
 揺れていい

第5回 最後の対話
 4回の対話の感想
 根っからの悪人っているの?

おわりに
被害と加害のあいだをもっと考えるための 作品案内


【登壇者プロフィール】

◆坂上香(さかがみ・かおり)
1965年大阪府生まれ。ドキュメンタリー映画作家。NPO法人out of frame代表。一橋大学大学院社会学研究科客員准教授。アメリカ留学ののち、日本のテレビで数々のドキュメンタリー番組を制作し、多くの賞を受賞。その後、映画制作に転身。映画作品に『Lifers ライファーズ 終身刑を超えて』、『トークバック 沈黙を破る女たち』、『プリズン・サークル』(文化庁映画賞・文化記録映画大賞受賞)、著書に『プリズン・サークル』(岩波書店)などがある。

◆ブレイディみかこ
1965年福岡県生まれ。ライター、コラムニスト。1996年からイギリスのブライトン在住。現地で保育士資格を取得し、無料託児所で働きながらライター活動を開始。ベストセラーとなり多くの賞を受賞した『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)のほか、『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)、『女たちのテロル』(岩波書店)、『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』(文藝春秋)、『両手にトカレフ』(ポプラ社)、『リスペクト R・E・S・P・E・C・T』(筑摩書房)など著書多数。最新刊は『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』(KADOKAWA、10月26日発売)。

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